ブックオフで「English Grammar in Use(4th edition)」を購入した。世界で最も売れている英文法書とのこと。社会科の資料集サイズで、ページ数は380ページにも及ぶ。単元(Unit)は145もある。前置詞や動詞+ingのパターンをを数個ずつに分けて説明しているためだ。
目次を見る。1〜25までは時制を徹底的にやり、助動詞、仮定法、受動態、間接話法、不定詞や動名詞….と続く。日本とは全く異なる進行である。
各ページを見る。一つの単元について2ページを割き、見開き左側で要点を説明、右側で演習といった形式だ。これ1冊で、日本の中1から高3の英文法の教科書の基本部分が網羅されている。左の要点説明には、平均して24、5の豊富な例文が並ぶ。経験的に文構造を掴み取らせようという意図が感じられる。
面白いのは、現在形よりも先立って現在進行形を先んずる点だ。
現在進行形の定義について、細かく書かれている。男が友達と電話をしている絵が描かれており、
I am reading a really good book at the moment,…
と話している。もちろん本を読みながら電話をしているわけではない。数日前に読み始めて、まだ読み終えてないが、読んだところまでの経過を友人に説明しているのである。進行形はまさに日本語の「〜している」と同じように、短時間で終わる動作が今まさに実行中である場合だけでなく、それを完了するのにまとまった時間の必要な動作のさなかにいるような場合でも使用可能であるであるということがわかりやすく説明されている。
現在形も見てみよう。
Nurse look after patients in hospitals. | 看護師は病院で患者の世話をする。 |
The earth goes around the sun. | 地球は太陽の周りを回っている。 |
といったように、進行形に変化しようのない、普遍的な事象を多く扱っている。
英語圏に住む生徒の使用する文法書といえど、think や see hear smell lookなど、基本的な動詞を扱っているところは全く変わりがない。他のどのページをめくっても、どんなに難しくても英検2級レベルの単語までしか登場せず、あくまで文法を忠実に習得することに意識を向けるように構成されているように感じる。
最後の付録は全部で7項あり、第1項は116の不規則変化活用表(多い!)、第2、3項は時制のまとめ、第4項は助動詞まとめ、第5項は短縮形、第6項は動詞や形容詞の語尾の変化、第7項はアメリカ英語とイギリス英語の違いについてまとめてある。日本の教科書での説明との違いで特筆すべきは、
- shall notの短縮形がshan’tと示されている
- 語尾がyで終わる言葉については、活用時は「yをieに変えてsをつける」と説明している(母音字+yはこの後に例外としてで説明している)
- is や has は、主語が代名詞でなくとも’sとできる(My best friend’s just got married.など)
といったところ。第7項が面白すぎるので、詳細は別の記事で示すこととする。