結論:後置修飾とは、形容詞が名詞を後ろから修飾すること
この説明でわかった方はこの記事を読む必要はありません。この記事では、この結論の中に含まれている
- 形容詞
- 名詞
- 後ろ
- 修飾する
をそれぞれ説明していきます。これらの言葉の意味がわかることで、後置修飾がわかるからです。
「形容詞」「名詞」「修飾する」とは
例を5つ示します。
美しいテーブル | a beautiful table |
古い家 | an old house |
晴れの日 | a sunny day |
新しいセーター | a new sweater |
赤い車 | a red car |
aやan(冠詞といいます)がついていますが、今回は気にしないで大丈夫です。
「テーブル」よりも「美しいテーブル」、「家」よりも「古い家」と言われたほうが、具体的にどんなものなのかが想像しやすいですよね。この時、詳しく説明されている言葉(tableやhouse)を名詞といい、詳しく説明している言葉(beautifulやold)を形容詞といいます。そして、「詳しく説明すること」を修飾する、というのです。
名詞とは、人・もの・ことを表す言葉であり、形容詞とは、名詞を修飾する言葉である。ある言葉が別の言葉を詳しく説明することを修飾するという。
(読み飛ばしてもOK) 実は、形容詞には限定用法と叙述用法の2つがあります。簡単に説明しますと、限定用法とは a red car (赤い車)のように「〇〇な△△」という場合の形容詞です。対して叙述用法とは、The car is red.(その車は赤い)のように「△△は〇〇だ」という場合の形容詞です。今回の後置修飾は、このうち限定用法の場合にのみ適用されます。以下、形容詞という場合は、前提として限定用法の形容詞であることを念頭に置いてください。
3つの言葉の意味がわかったところで、次に進みましょう。
「後ろ」とは
実はこの形容詞は、日本語の場合はどんな場合でも名詞の前につきます。例えば、
- 黒いコップ
- 青い服を着た少年
- スーパーの店員さんからもらったレジ袋
- 東京都千代田区永田町一丁目7番1号に所在する国会議事堂
どんなに長くても、名詞の前に付いていますよね。ところが英語では、名詞の前につくこともあれば、後ろにつくこともあるのです。例を見ましょう。
その質問に対する答え | an answer to the question |
両親との関係 | a relationship with your parents |
その町の地図 | a map of the town |
遅延の理由 | the reason for the delay |
売上の落ち込み | fall in sales |
日本語は、形容詞+名詞の順番になっていますが、英語では名詞+形容詞の順番になっています。よく見ると、これらの to the question や with your parents といった形容詞は、先ほどの beautiful や old と異なり、2語以上であることがわかります。例えば to the question の場合、「to」「the」「question」で3語、つまり2語以上ですよね。このことから、以下のことが言えます。
形容詞は、1語なら名詞を前から修飾し、2語以上なら名詞を後ろから修飾する。
もちろん例外も稀に存在しますが(※1)、ほとんどの場合はこれに当てはまります。このように形容詞が名詞を後ろから修飾することを、後置修飾というのです。
後置修飾の他の例
後置修飾の例は他にもたくさんあります。例を見てみましょう。
食べ物を買うためのお金 | money to buy food | 不定詞(形容詞的用法) |
隣に住む女性 | the woman who lives next door | 関係代名詞 |
私が育った町 | the town where I grew up | 関係副詞 |
外で待っている人々 | people waiting outside | 現在分詞 |
その工場で作られた商品 | the goods made in this factory | 過去分詞 |
このように、不定詞や関係代名詞は、後置修飾の典型例です。以上で説明を終わります。
※1 例えば、something(何か)や somebody(誰か)などの名詞は、修飾する形容詞が1語であっても、それらの後ろから修飾します。